重心別、タイプ別理論とは 
           
ノーリミッツ代表 三土手大介
ノーリミッツでは各個人の重心位置を調べて、その重心位置に伴ったタイプ別のフォームを指導しています。このような指導をすることにより初心者は遠回りせずに最短のスピードでどんどん強くなりますし、上級者でも今まで自分の重心位置に合ったフォームでやってきていなかった人などは飛躍的に伸ばすことが可能となります。また、自分のタイプに合ったフォームでしっかりとトレーニングしてきた人でも、なぜそのフォームが良いのかということを明確に理解すれば更にフォームが固まり、継続的に伸ばすことが可能となります。では、重心位置やタイプ別トレーニングとはどのようなものなのでしょうか?以下に説明していきます。


重心位置をしっかりと把握する

 重心の位置というものは誰にでも必ず存在します。そして人それぞれ重心の位置は違います。ノーリミッツの双子のトップリフター荒川兄弟を例にとると、彼らは体型も見た目も非常に似ています(双子だから当たり前ですが)。体型、骨格、筋肉の付き方まで。一見同じように見える双子でも実は重心位置は違うのです。兄はつま先内側タイプで弟はかかと内側タイプなのです。だから、弟の方は兄と同じようなフォームを一生懸命練習していたのですが、フォームが今ひとつしっくりときていませんでした。そして、重心別のフォーム理論がある程度確立されてから、弟の方の重心位置を改めて調べてみると、かかと内側タイプと判明。本人はかかと重心タイプのフォームの方が何となくやりやすいと感じていながらも、つま先タイプのフォームで行っていたと言うわけです。そして、かかと重心タイプのフォームに改善して、案の定、記録が飛躍的に伸びました。この話からもわかるように自分が思い描いている理想のフォームと、実際に自分にあっているフォームが必ずしも一致しているとは限らないのです。自分にあったフォームを正しく探すためにも、まず、自分自身の重心位置を正しく把握しておく必要があります。

重心位置とは?

 人間の身体はそれぞれ見た目も違いますし、身体を支配する神経系統も違います。簡単にいえば右利き左利きのように。先ほども言いましたが重心位置も人それぞれ違うのです。では、そもそも重心位置とはなんなのでしょう?

 重心位置とは、つま先側だったり、かかと側だったり。または、内側だったり外側だったり。これらの重心位置は人によって違いますが、必ず一人に一つ重心の位置が存在します。また、その位置は基本的に変わることはありません。重心の位置がそこにあることによって体の使い方から骨格、つきやすい筋肉まで変わってきます。正しい位置に重心があるときに、人は安定する。または、安定して正しく動作を行うことが出来ます。身体が安定して正しく動作できるということは、基本的に身体も神経系統も(脳も)リラックスしていなければなりません。重心を正しく位置することにより、身体はフリーな状態になるのです。武道で言えば「自然体」と言うことでしょうか。

 自分の重心位置にしっかりと重心を持ってくることによって、あらゆる動作に瞬間的に反応することが出来、しっかりと身体を連動して動作を行うことが出来るのです。

重心位置によるタイプ別トレーニングフォーム

 重心は大きく分けてつま先内側、つま先外側、かかと内側、かかと外側の4つに分類されます。細かく分けるともっとありますが分かりやすくするために4つに分類します(図1)。それらの重心位置によって、トレーニングフォームが大きく変わってきます。つまり身体の使い方が全然違うのです。

ウエイトトレーニングの専門書でも大抵の場合、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトのフォームは一つしか載っていません。バリエーションの違いはあっても、タイプ別のフォーム解説しているものは皆無です。

 よく考えてみたらそれは凄くおかしなことです。例えば、野球のバッティングなどが説明しやすいでしょうか。バットを握って、投げてくるボールに対してバットを振る。という動作ですが、選手によってその構えや握り方、身体の動かし方、スタンスなどは全然違いますし、意識も全く違うと思います。なぜフォームがそれぞれ違うのか?いくつか要因はあると思いますが、そのひとつとして、やはり各選手の重心位置の違いと言うことがあげられると思います。もちろんバッティングには基本と言うものがあり、それを踏まえた上で各個人に向いたフォームを作り上げていく作業があるのは当然のことです。ですからスクワット、ベンチプレス、デッドリフトでも唯一理想のフォームはこれだ!というものは存在しないのです。

理論は日々進化していくもの

バッティングの理論も今と昔、または日本とメジャーリーグでは全然違うことでしょう。これは野球に限ったことではなく、あらゆるスポーツでフォームや理論は日々進化しているのです。昔はタブーとされていたことが現在では正しいとされていることってたくさんありますよね。

 では、これと同じことをウエイトトレーニングで考えるとどうでしょう?スクワット、ベンチプレス、デッドリフトのフォーム解説をウエイトトレーニング専門書で見てみると、10年前、いや、20年前、それ以上昔からフォームに関する解説は全く変わっていません。同じような説明が色々な本で繰り返し書かれているだけです。スクワット、ベンチプレス、デッドリフトはBIG3などと呼ばれ、大切な種目ですと言われているのに、その理論は全く進歩していないのです。僕はパワーリフティング競技で、初めて海外遠征をしたのが、20歳の時でした、それから約12年間、海外でトップ選手のフォームを間近で観てきました。10年前と比べると、世界のトップリフター達のフォームは格段に進化しています。強い選手で、昔から書かれているスクワット、ベンチプレス、デッドリフトのフォームをしている人はまずいません。トレーニング解説書で一般的に良いと言われているフォームを誰もしていないのです。これはどう解釈すればいいのでしょうか?パワーリフティングが重いものを挙げるための競技だからフォームも特殊なのでしょうか?よく考えてみてください。重いものを挙げるからこそ、効率の良いフォームで負荷を分散させなければダメなのです。分散できないようなフォームだったら、すぐに怪我をしてしまいます。重いものを持っても怪我をしないフォームこそ理想のフォームではないでしょうか?世界トップリフター達は皆そのようなフォームで行っています。その証拠に、世界大会であれだけたくさんの選手が限界ギリギリの重量に挑戦しても、大きな怪我をする選手はほとんどいないのです。彼らが皆重心のことを考えてフォームを作っているかはわかりませんが、確かにいえることは、皆非常に理にかなったフォームをしていると言うことです。ですから、世界大会に参加すると毎回もの凄く勉強になり、たくさんのことを吸収できるのです。

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